秋田県横手市にある「横手市役所」の建物点検に携わらせていただきました。
ドローンの最大のメリットは足場架設やゴンドラ架設と違いコストが安く抑えれるところになるのですが、その反面法律部分はしっかりと遵守する必要があります。
横手市役所付近はDID地区(特定飛行地区)に該当する為、気軽には飛行出来ません。飛行許可申請を行ったうえで、しっかりと安全対策を行います。事前に道路使用許可や所有者、近隣施設からも必ず許可をいただき、それらを全てクリアした状態でドローンを安全に飛行させます。立入禁止区域の設置や交通誘導員の配備もしっかりと行いました。
今後、ドローン建物点検の需要は拡大すると思いますが、上記の部分を理解していない業者が行ってしまうと、その業者はもちろん所有者様にも刑罰の対象が及ぶ場合があります。しっかりとした知識を持って行う事が重要になります。
今回は北面、南面、東面をドローンで撮影し点検を行いました。
東面は25m離れた離発着許可をいただいた土地からの撮影でした。太陽が昇ってから1時間程度しか撮影できなかったので、時間との勝負になりましたが、日の出前から待機して、太陽の光を浴びたらすぐに撮影を開始したおかげで、ドローンを安全に飛行させて撮影する事が出来ました。
南面はずっと太陽光が当たっていたのでゆっくり、時間をかけて撮影する事が出来ました。東面と南面の撮影で約4時間程度と、予定通り撮影する事が出来ました。
弊社はドローン点検を行っている訳ですが、決して打診調査を軽視している訳ではありません。1〜2階部分は打診調査を行います。叩ける部分は叩いて調査した方が良いというのが弊社の考え方です。打診検査、目視検査、赤外線検査、可視検査、全てをミックスして建物点検を実施するのが1番の理想です。
上記写真のように割れやコーキング劣化は目視で確認し、撮影していきます。全ての業務をドローンで行うという訳ではございません。
北面は街路樹があったり、歩行者通路と市役所の建物が近すぎて50m先から撮影するしかありませんでした。そこで活躍するのが、望遠付カメラのDJI H30T。光学ズーム400倍の多機能カメラをドローンに搭載して撮影していくので、50m離れた位置でも肉眼より綺麗に撮影が可能です。上記画像の丸い写真部分がズームでの撮影画像ですが、くっきりと撮影出来るので、撮影がしにくい環境下でも安心して撮影が可能です。DJI H30Tは、本当に素晴らしカメラです。
7時30分から始めた撮影も、14時には6階建庁舎の北面、南面、東面、屋上モニュメント、屋上雨漏れ点検の全ての撮影を完了する事が出来ました。
人口減が進んでる日本において、高層建造物の維持という問題はこれから大きくなると思います。大型マンションの住民が現在よりも少なくなると、住民の共益費や修理予算など個人負担金が増えていきます。また修理コストも的確な場所の判断をせず修理をしてしまうと無駄な部材の発注や人件費増に繋がってしまいます。そのような意味でも、ドローンによる建物点検は今後絶対必要になると思います。